緑内障は、白内障とならんで眼の病気の中で最も多いものです。
「眼の成人病」とも呼ばれ、40歳以上の20人に一人が緑内障であると報告されています。
緑内障は一般に眼圧(眼球内の圧力)の上昇にともない視神経がおかされる病気であり、
多くの場合本人が気付かないうちに、非常にゆっくりと視野(見える範囲)が
狭くなっていきます。
そのため、発見が遅れるケースが多く、緑内障患者の80%が病気に気づいていない
潜在患者と言われています。
緑内障は慢性の場合と急性の場合で症状は異なりますが、
慢性の場合は徐々に進行していくため本人は気付かず、
視野が狭くなってきたと感じた時には緑内障が進んでいます。
そのため、初期段階での視野検査、眼圧検査が欠かせません。
また、「何となく眼が重い、疲れる、不快感がある」といった症状がある場合もあります。
急性の場合には眼圧が急激に上がるため、眼の充血や激しい頭痛、吐き気が突然起こります。
眼科で早急に処置しなければ障害を残す恐れもありますので、注意が必要となります。
緑内障の治療には3種類ありますが、その基本は眼圧を下げることです。
眼圧を下げることにより緑内障の進行をとめられる場合が多いからです。眼圧を下げる為に通常、主に目薬を用います。
最近は体への副作用が少ない眼圧下降効果の優れた目薬が多数開発されております。
目薬を点眼し忘れると、眼圧が上昇し視神経が障害されることがあるので、必ず医師の処方・指示に従い、規則正しく点眼して下さい。
薬が効かない場合は、手術による治療を検討します。
手術時間はおよそ10分程度で、当院では日帰りで手術が可能です。
白内障手術と同時に行うことが可能です。
緑内障の検査として、眼圧検査、眼底検査および視野検査、OCTによる網膜の断面図を確認する検査を定期的に実施します。
これらの検査を通して、緑内障の進行の程度を確認いたします。
また、緑内障の種類を確定するために隅角検査を行います。
緑内障は家族内発生のみられることがあるため、皆さんのご家族(血縁者)に緑内障の方がいらっしゃる場合には、
検査を受けることをおすすめします。緑内障によって、一度失われた視野は回復しないため、早期の発見が非常に重要となります。